乳酸菌は痛風に効く?
さまざまな病気を予防、改善する効果のある乳酸菌には、他にもまだ知られていない効果があるとして、現在も世界中で研究が進められています。
そんな中、日本で患者数が増え続ける「痛風」にも、効果があることが分かってきました。
乳酸菌のもつ痛風への効果
京都大学と医薬品メーカーの共同研究で、乳酸菌に尿酸値を低下させる効果があることが明らかになりました。
痛風とは
プリン体を多く含む食品(ビールや肉、魚介類など)を摂取しすぎると、尿酸値が高くなります。
この状態が続くと、高尿酸血症や、風が吹くだけでも激痛が走ると言われる「痛風」になる可能性が高まります。
乳酸菌が痛風を予防する
研究では、百数十種類の乳酸菌株の中から、ラクトバチルス属のブレビス菌(通称ラブレ)が最も適した菌種であることを発見し、ブレビス菌とプリン体を試験官の中で反応させる実験を行いました。
すると、ブレビス菌はプリン体を「プリン塩基」という体内で吸収しにくい成分に変換することが分かりました。
このことは、ブレビス菌はプリン体の吸収を抑え、痛風や尿路結石といった病気の予防に役立つということを表しています。
プリン体をエサに増殖する乳酸菌
また、大手食品メーカーも、自社の持つ5000種類以上もの乳酸菌の中から、プリン体の分解や吸収が可能な「PA-3株」を発見しました。
PA-3株は、まずプリン体をプリン塩基に変換します。
その後、プリン体を構成する「プリン塩基」、「ヌクレオチド」、「ヌクレオシド」の3つを菌体内に取り込みます。
最後に、取り込んだ成分を増殖に利用します。
簡単に言うと、このPA-3株はプリン体をエサとして食べることができるため、PA-3にとってプリン体の存在は、むしろ好都合ということができます。
これら乳酸菌を含む食品
ブレビス菌(ラブレ)や「プリン体と戦う乳酸菌PA-3株」は、ヨーグルトや乳酸菌飲料として販売され、スーパーやコンビニなどで気軽に購入することができます。
また、このように特定の機能や効果があることを示して販売することが許可されているヨーグルトは、「機能性ヨーグルト」として知られ、他にもさまざまな種類が販売されています。
乳酸菌は痛風をも予防する!
お酒が好きで、ついつい好きなものばかり食べてしまうというあなた。
実は、プリン体が気になっているのではありませんか?
プリン体の吸収を減らす乳酸菌を取り入れ、痛風などの病気を予防する習慣を始めましょう。