カスピ海ヨーグルトに含まれる乳酸菌
酸味が少なく、独特の食感が人気のカスピ海ヨーグルト。
ご存知のように、他のヨーグルトとは大きな違いがありますが、このような食感を作り出しているのもまた乳酸菌です。
カスピ海ヨーグルトにはどのような乳酸菌が含まれているのでしょうか?
乳酸菌のもつ効果と合わせてご説明します。
含まれる乳酸菌
カスピ海ヨーグルトには、主に以下の種類の乳酸菌が含まれます。
クレモリス菌
カスピ海ヨーグルトに含まれる代表的な菌は、ラクトコッカス・ラクチスの亜種であるクレモリス菌です。
長寿研究で著名な家森幸男博士が、カスピ海沿岸の長寿地域であるコーカサス地方から、研究の一環として持ち帰った菌種で、それまでは日本では知られることのない乳酸菌でした。
このクレモリス菌は、カスピ海ヨーグルト独特のねばりやトロッとした食感を生み出す「EPS(菌体外多糖)」という成分を産出しています。
EPSは、ヒトの消化液に分解されず、生きたまま腸まで届くことができるプロバイオティクスの一種です。
サーモフィルス菌
クレモリス菌の他に、ストレプトコッカス・サーモフィルス菌を同時発酵させているカスピ海ヨーグルトもあります。
カスピ海ヨーグルトでは、クレモリス菌特有のチーズのような独特のにおいを抑え、食べやすくすることを目的として利用されていますが、もともとサーモフィルス菌は、伝統的なヨーグルトを作る上で、ブルガリクス菌とともに欠かせない種菌でもあります。
カスピ海ヨーグルトに含まれる乳酸菌の効果
カスピ海ヨーグルトに含まれる乳酸菌には、腸内環境改善はもちろんのこと、他にもさまざまな健康効果があります。
血糖値の抑制
クレモリス菌の作り出すEPSは、「乳酸菌の作り出す食物繊維」に例えられることがあります。
それは、EPSがまるで食物繊維かのように、小腸内で糖質の吸収を制限し、食後の血糖値の上昇をおだやかにすることからきています。
そのため、血糖値が気になる方は、食事とEPSを一緒に摂取することをおすすめします。
IgEの抑制
アトピー性皮膚炎を発症したマウスに、カスピ海ヨーグルトを摂取させたところ、皮膚の肥厚化や、アレルギーの指標である血中のIgE上昇が抑えられたことがわかりました。
クレモリス菌の作り出す菌体成分やEPSは、アトピー性皮膚炎やアレルギーに効果があるのです。
免疫細胞の活性化
EPSには、免疫細胞を活性化し、IFN-γ(インターフェロン-ガンマ)と呼ばれるサイトカイン(生理活性物質)の生成を促す効果があることがわかりました。
このIFN-γには、免疫力を高め、抗アレルギー作用や、風邪、インフルエンザといったウイルス感染の予防をするなどのはたらきがあります。
美肌効果
人の感じる社会的なストレスに似たストレスを与えたマウスに、EPSを投与すると、失われた肌の水分量や血流量が保たれ、肌の機能の改善がみられました。
EPSには、ストレスによる肌荒れを改善し、美肌を保つ効果があるのです。
カスピ海ヨーグルトで健康週間を始めよう!
クレモリス菌の作り出すEPSは、他のヨーグルトに含まれることの少ない貴重な成分です。
また、サーモフィルス菌にも、継続して摂取することで腸内環境の改善や、肌荒れの改善に効果をもたらします。
体質改善に向けて、カスピ海ヨーグルトを毎日続けてみませんか。