乳酸菌と血糖値の関係性
乳酸菌には、血糖値の上昇を抑え、糖尿病の予防や病状の悪化を止める効果があることが、いくつもの実験や研究で明らかになっています。
血糖値が気になる方は、乳酸菌のもつさまざまな血糖値抑制効果に注目してみてください。
腸内フローラと血糖値
腸内フローラのバランスと血糖値上昇には、因果関係があります。
2型糖尿病患者に対する実験を例に、血糖値が上昇する原因と乳酸菌の効果をみていきましょう。
2型糖尿病患者における血糖値上昇メカニズム
2型糖尿病の患者は、腸内細菌のバランスが崩れやすいという報告があります。
このバランスが崩れると、腸管バリア機能が低下します。
本来なら腸内で活動しているはずの腸内細菌が血液中で検出され、慢性的な炎症を引き起こします。
この炎症が元で、体内で分泌されるインスリンを効きにくい状態にし、血糖値を上昇しやすくしてしまうのです。
乳酸菌が慢性的炎症を抑える
2型糖尿病患者を、プロバイオティクス飲料を摂取するグループと摂取しないグループの2つに分けて、実験が行われました。
すると、4ヶ月後に採取した摂取グループの便の中には、ラクトバチルス属を中心とする数種類の乳酸菌が増加しており、腸管バリア機能が向上。
その結果、血液中の腸内細菌が減少していました。
このことから、乳酸菌には腸内フローラのバランスを整え、慢性的な炎症を抑える効果があることが分かります。
乳酸菌の「EPS」が血糖値の上昇を抑制
カスピ海ヨーグルトに含まれるクレモリス菌や、R-1乳酸菌が作り出す粘り成分「EPS」は、「乳酸菌の食物繊維」に例えられます。
胃酸などの消化液で分解されることなく、まるで食物繊維のように小腸で糖質が吸収されるのを抑え、血糖値の上昇を緩やかにするからです。
「食前のヨーグルト」が効果的
食事の前にヨーグルトを食べると、食後の血糖値の上昇が緩やかになることも分かっています。
行われた試験では、食前にサラダを食べるのと同等か、それ以上に血糖値を抑えられるという結果が出ました。
また、食事をしてから2時間が経過した時点においても、サラダよりもヨーグルトを食べたグループの方が、血糖値の抑制がみられました。
飲むだけで血糖値を下げられるカプセル
乳酸菌のもつ血糖値抑制効果に対する研究は、現在も進められています。
中でも注目を集めているのは、「血糖値を下げる効果のある乳酸菌カプセル」です。
アメリカの企業によって開発中ですが、完成にはまだ時間がかかるとのことです。
乳酸菌で血糖値対策を!
乳酸菌の効果は、もちろんヨーグルトやサプリメントなど身近なものからでも得られます。
糖尿病になる前に、生活習慣の改善と乳酸菌で予防を怠らないようにしましょう。